2014年1月17日
安寧の庵で安らかに
誰々は?誰々は未だなの?としきりに孫の名を口にしていた妻が、夫の私、子供、孫達の皆の顔を見て安心し切ったのか眠る様にして此の世から去ってしまった僅か二時間にも満たないあっという間の出来事である。
想へば私は妻に苦労のかけ続けであった。発作をおこし手術する三~四時間前迄、お店で前を通るお客様に売り声をかけていたからである。思い出すと今も涙が止まらない。
四十九日の法要がすめばもう涙とも決別する日だとはお寺の御住職の法話だったが、とんでもない話だ。
私は此の愛してやまないあかけがへのなかった宝の妻にせめて私の財力の許す範囲でお墓を建立して、「安寧の庵(あむろのいおり)」と名づけ妻の霊を弔い、ゆく末は一緒に心やすらかなあの世をおくりたいと思う。