2014年1月17日
天の川に魅せられて選んだ墓石
八ヶ岳南麓で双眼鏡を手に天の川を見上げたときのことです。初めは星の密集にしか見えませんでした。しかし、目が慣れるにしたがって隙間なくあるように見えた星々の間にさらに星々がにじみ出てくるのです。
目を凝らすと、また新たに星々が・・・・。
これはもう「わっ、わっ、わっ!」としか表現できない感動の時間でした。
私の母が九十二歳でこの世を去りました。晩年を過ごした伊豆に墓を設けようと市内の石材店を訪ねました。展示場には様々な種類の石、デザインの墓石が並んでいます。
その内、一つの石が目に留まりました。まさむねの御影と記されたその石は、結晶の大小濃淡が流れのような微妙な模様を描き、奥行きさえ感じられます。見つめていると、かつて見た天の川のように細かい結晶が次々と浮かび上がってくるような気がします。
すぐに気に入り、デザインも展示場にあった墓石から小柄で几帳面だった母にふさわしいシンプルなものを選びました。小さいけれど、宇宙にも通じるような豊かなイメージの墓石になり、亡き母も喜んでくれるに違いありません。