2014年1月17日
神徒である当家の墓地は東京雑司ヶ谷にあります。
十数年前父はその墓地を改葬しました。いずれ、そこに眠ると考えていたと思います。しかし晩年、家族と過ごした伊豆の地に、我が家族の歴史を刻むべく、新たに建墓することを、望んでおりました。父の、希望は“デザインの良い墓” そんな希望を叶えるべく、私共家族の建墓への日々が始まりました。
縁あって、建墓について、石材店に相談したのは三~四年前の事であったと思います。その後も、何度となく石材店さんにはお会いする機会もあったのですが、東京に墓地があるという安心感からだったのでしょうか、結局、父が亡くなってから再度、建墓について、ご相談することとなりました。
建墓にあたっては、自身には何の予備知識もなく、かなり多くの本を取り寄せ、ネットでも情報収集し、霊園巡りもしました。デザインに拘ったものの、なかなか具体像が浮かばないところ、石材店から多くの専門的アドバイス、ヒントを戴き、半年以上の長きにわたり、お力添えいただきました。
変形な敷地の一部をうまく取り込んだ階段。年輩の墓参者に配慮したステンレスの手摺りが程良いアクセン トになっています。幅広く斜めに立ち上がっていく石塀。二色の石のコントラストも美しく、前面の低い塀にはゆっくり腰掛けられます。シャープに掘られた水皿周囲は、広いお供物台としての役を担います。
機能美… 完成し、磨き込まれ、真新しく黒光りしている墓石を眺めると感慨深いものがあります。この新しい墓地は、伊豆の地での、我が家の第二幕の歴史として、時の経過と共に、家族に機会あるごと想いと共に磨かれ、家族の歴史と共に、味わいが増し、そして、尚一層の愛着が湧いてゆくことでしょう。
家、家族の歴史と共に代々引き継がれ、事ある時々縁者が集い、そして故人の思い出に浸る一時を送る。そんな、場所にふさわしいメモリアルモニュメントの完成と満足し、心より感謝しております。